マルトリートメント

 

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虐待の内訳

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【身体的虐待】【性的虐待】【ネグレクト】【心理的虐待】のうち、もっとも占める割合が高いのは、平成27年度のデータでは【心理的虐待】47.2%です。

しかし、わたしはこう思います。

どんな種類の虐待であっても、100%【心理的虐待】であると。

体罰も、性的暴力も育児放棄も、すべて心を痛めつけることに他なりません。だとすれば、100%【心理的虐待】ではないですか?

 

・・・・と、こんな話をしていると、日常生活とは無関係の、どこかで苦しめられている傷だらけのボロボロの親子をご想像なさると思います。

 

が・・・

 

「虐待」や「発達障害」に代表されるように、わたしたちは、その言葉の持つ意味をインパクトと共に理解してしまっていることがあります。

 

ひとつの本をご紹介します。

非常に科学的に「虐待」について研究された知らない事ばかりの本です。

 

 

では。

 

 

「虐待という言葉がもつ響きは強烈で、ときにその本質を見失うおそれがあるため、わたしたちの研究では、強者である大人から、弱者である子どもへの不適切なかかわり方を、「虐待」とは呼ばずに「マルトリートメント(maltreatment)]と呼んでいます。

(中略)

日々、子どもと接するなかで、こうしたマルトリートメントがまったくないという家庭など存在しないでしょう。」

 

ー『子どもの脳を傷つける親たち 友田明美 著 NHK出版発行』

 

 

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マルトリートメントという捉え方

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気付かれるほどではないが、ほっぺたをつねったことがある。

「馬鹿な子だね」と日常的に使ってしまう。

夫婦げんかを子どものいる前で見せる。

スマホに夢中で、子どもとのあそびを拒否する。

・・・

 

こんなことが、日常にないでしょうか。

「うちには全くないですね。そんな気持ちになったこともありません!」というお母さんがいるでしょうか。

 

実は、わたしたちは「虐待」という強烈なインパクトに惑わされて、うちは「虐待」まではしてないわ、大丈夫大丈夫!となだめてしまっていることがあるのではないかと思うのです。しかし、この友田さんが日本に広まってほしいと願う「マルトリートメント」の意味は、「不適切な養育」すべてを指します。

 

どうでしょうか。「マルトリートメント(不適切な養育・かかわり)」だったら、うちも関係するのかも・・・と思いませんか。でも、くれぐれも、「わたしも虐待のようなことをしていたのね、なんてひどい親なのかしら」とご自身を責めないで下さい(笑)

と言いつつも、虐待やマルトリートメントは奥が深く、そしてかなり科学的にわかってきている衝撃的な事実もあります。見過ごしてはいけない部分も少なくありません。マルトリートメントについての事実をよく知り、これからの子育て生活に生かしていってもらえれば幸いです。

 

それでは、ちょろっとだけ触れておしまいにします。

この本の帯の言葉は・・・

 

〈マルトリートメントが子どもの脳を変形させる〉

 

つづく