地図なき道を行く

 

========

地図なき道を行く

========

 

どこか初めて行く場所(例えば、ほとんど知識のない海外の国を思い浮かべてください)にポーン!と明日から、そこで住むことになったら?

あなたはまず、現地で何をしますか?

ファーストアクションは人により様々でしょうけど、どうしても欲しいものの一つに「地図」は含まれると思います。

 

生活に必要な最低限の場所(食料品や衛生的な水が手に入る場所や病院など)はもちろんですが、同時に危険な場所(治安が悪いなど)も知りたいと考えるのではないでしょうか。

 

さて、子育てを考えると、これと似たところがあります。

子育ては、初めてばかりです。何が起こるかもわかりません。だとしたら、必要最低限の場所を知るだけの地図でいいのでしょうか。行き止まりの道も、のぼり坂のきつい山も知っていた方がよくないですか?

 

この、「知ったら不安になること」に真正面から対峙する勇気があれば、危険個所を回避できる道を進むことができるかもしれません。そっちの道へ行っても、行く先に良いことはないと分かっていれば、時間のロスなく迂回できるかもしれないのです。

 

わたしが、健康なときにガンの怖さを真剣に考えられなかったのと同じように、ごく普通に子育て生活を送っている方には、いまいちピンとこないのかもしれません。敢えて不安になる行動って、本当に本当に勇気のいることだと思います。

 

だからこそ、親としてどれだけ「子育ての地図」を作っておけるかどうかが、今後大きな差を生むと思っています。

 

================

手がかかる子をお持ちの親御さんへ

================

 

ある日、生後8カ月のお子さんをお持ちのお母さんが、こう言っていました。「うちの子、背中スイッチなるものはなくて、朝は先に起きて一人で静かに遊んでいることもあるの。わたし(お母さん)が寝たふりしたら、そのまま横で二度寝してくれるし、離乳食もよく食べるから何も困ってない。ミルクも3回で良くなったしetc・・・」って。

 

もし、これ、3・4年前のわたしが聞いたら、心臓がギューーーーッと締め付けられて、家で泣いていたかも、と思いました。自分の生活と違いすぎて。

 

わたし自身の子育ては問題なく見えているようですが、今までの人生のどの時期よりも精神的・肉体的に追い込まれた時期を乗り越えてきました。でもね、ふと思ったんです。

 

決してラクじゃなかったけど、その分、この子の「人生」を考えた育児ができるようになった、と。だって、何も問題のない子だったら、何も問題なく立派に生きていけるって思うじゃない?あまり先のことまで考えることもないような気がします。

でも反対に「この子、大丈夫かな」って思うような子だったら、「人生」を見据えた育て方をしたいって思うようになるでしょう?だって、本気で生きていけないかもしれない!!って、現に困っているんだもんね。

 

だから、手のかかるお子さんをお持ちのお母さんはね、そこから逃げずにちゃんと向き合っていけば、これから先きっと楽になりますよ。実はラッキーなんです。知らないうちに、予習しちゃってるから!地図に、いろんな情報が書き込まれていくはずですから!

 

そういう意味で、さんざん困らせてくれた我が子に感謝だなと。

 

日陰の後ろには、かならず太陽がある。

どんなことにも、いいことがあります。

見えてないだけ。