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真実はどこにもない
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人間は、真実を知りたくなる生き物です。「あのさ・・・ううん、なんでもない」なんて言われたら、気になって気になって仕方ないでしょう?(笑)
我が子に起こった見えない出来事に、どんな理由やワケや経緯があったのか、知りたくなるのですね。
ところが、今日のタイトルにもあるように、真実なんて探してもどこにもありません。(動画でわかるのは事実です。真実は、そのとき関わった人の感情も含みます。)
先生には先生の言い分があるのだし、子どもには子どもの言い分があります。保護者が先生を信頼していれば「そんなはずはない」と思うでしょうし、信頼していなければ「あの人ならやりかねない」と思うでしょう。
もしも、それでも気になるのなら、同じクラスの他の子や、学年主任や教頭・校長などに、事実だけを聞くというのもアリかもしれません。事情聴取のようにね。ですが、この「事実だけ」というのが、どれほど難しいのか・・・。そして、「事実」を知ったからと言って「真実」までわかるといえばそうではないのですよ。
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どう考えましたか?
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昨日のシチュエーションについて、どうするか?という問いに、あなたはどんな答えを出したでしょうか?真冬に見つけた生きたカメムシをギュッと握りしめていた、なんて考えていた方はいますか?
実はわたしは、想像の中で、この子どもにカメムシを握らせていました。真冬に生きている強いカメムシを先生に見せたら「くさい」と言われて悲しい顔をしていた、という設定でした。(⇒くだらない!笑)
その子は本気で「すごーい!!」と感動して、カメムシを見せびらかして自慢しようと思っていたのに、先生に拒否されて出鼻をくじかれた。
その事実を受け入れたくないために「くさいとは言われてないと思う」と言い、母親からうまく逃げようとしただけだったのに、まだ母親は詰めよってくる。そんなしつこさに嫌気がさして「くさくないって!」と怒ったのでした。ギュッと握ったこぶしの中には、たくましいカメムシ。
そんな子、、いないかもしれません。でも、いるかもしれません。うちの子は、虫が嫌いだから・・・という問題ではありません。どれだけ、予想外が起こり得るのかを感じてほしかったのです。
この子は、先生にイジメられていたのですか?
いいえ、先生はカメムシを見て「くさい」と言っただけですよね。本当にくさかったのでしょう(笑)
真実は、どこにもない。
この子が「真冬のカメムシがかっこよかった」という思いを吐き出さない限り、誰にもわからないのです。これ以上詰め寄っても、口を開かないかもしれないし、先生に聞き出したとしても先生は何のことだかわからないでしょう。先生の方だって「はい、確かに「くさい」と言ったのは事実です」と答えるしかありませんよね。
半分信じて、半分疑う。
何が本当なのか、よくわからない。
子どもだって嘘をつく。
そう思っていたほうが、案外いい関係(親子間も学校ー保護者間も)でいられることが多いです。