先日の「おおぞらクラス」でのこと。
いつも大きく2~4つの課題を取組む形をとっていて、その日は3つやったのですが開始10分まだ1つ目のところで「ああ、これだな、かっこう以外の塾では多分どこでもやってない指導は」と思った瞬間がありました。
みなさんはおそらく、習い事選びの際に「勉強が好きになってほしい」「点数を上げたい」「泳げるようになってほしい」などと、なにかの得になることを考えるはずです。むしろ、そうでなければ料金を払いたくはないでしょう。
ところが、子どもの成長というのはなかなか難しいもので、比較することができないんですね。その子の自然な成長なのか、習い事の成果なのかが、はっきりわからなかったりする。
どういうことかというと、通わなくても自然に泳げるようになったのかもしれないけど、それを比較する事は不可能だということですね。
つまりは、「成果」というのは、身近にいる人間の感覚でしかないわけです。親も先生も(大きい子であれば本人も)「これをやってきたおかげだ」と思っているかどうか、という、結構曖昧なものだと思うんですよ。これを、習い事の先生(わたし)が言ううのって勇気がいりますけども・・・(笑)
そこで、わたしの目安にしていることは、親も子も「ハッ」とさせられるかという点。池に一石を投じることで水面が揺れるように、わたしの指導がその親子や子どもの成長に、何らかの影響を与えられるかどうか。そこだと思っています。
これまでにない知らなかったことや発見を、その瞬間から注入していく、ということ。それが、たとえ5秒しかかからない一言でも、その習い事の先生の人生やバックグラウンドがそこに表れると思うのですよ。
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さて、では次の指導で、この子どもがどんなスキルを身に付けることができたのかを、ちょっと考えてみてください。おもしろいのは、ミッション➂です。
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〈今から1回だけ出される指示通りに動いてください〉
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ミッション➀
わたし「2つの畑に名前をつけて」
子ども「畑A、畑B」
わたし「畑Aには大根の種をまきます。等間隔に3列に。種と種の間を5センチずつ空けて2粒ずつ蒔いて」
⇒これは、聞く力・想像力・瞬発力・決定力など。
本当に1度しか言いません。本当に。だって、何回も聞いてくる新入社員って嫌でしょう?(笑)だから、一発で頭に描いて、その通りに動く練習です。
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ミッション➁
わたし「畑Bには、この大きな種を大根の種の3分の1の数だけ、よく育つような間隔を考えて蒔いてください」
子ども:計算して数え、さっきより広い間隔で蒔く。
⇒これは、考える力です。子どもに理由を問うと「大きい種だから、間隔を大きくとった」らしいです。指示通り動きながら、考える力をつけるという組み合わせ問題。さらに、計算もする必要があります。
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ミッション➂
わたし「はい、この畑を管理するリーダーが一週間後にやってきました。もう芽は出ています。リーダーは、こう言いました。「おっと!君!!大根と人参が逆じゃないか!!!」
「はい、どうしますか?」
子ども:固まる・・・
ここです!!ここがかっこうです。
わたし「まず何する」
子ども「何してもいいんだよね?」
わたし「いいよ」
子ども:畑Aと畑Bのタグを反対に置き直す
笑いました。
わたし「賢い!いいね、その柔軟な発想。そうそう、それでいいんだけど、実際はそうはいかないな(笑)」
「日当たりや水はけの問題もあるし、ヨイショって畑を動かすわけにはいかないよね?さ、どうする?」
子ども「やりなおす」
わたし「いいね!そうだ、やり直せばいい」
わたし「でもね、、、、」
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さて、わたしが言った「でもね」につづく言葉を考えてみてください。
★ヒント★
かっこうは「生きる力をつける」ことを目的とした塾。