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項目5:問題の理由を淡々と聞く

 

さっそくですが、タイトルを5回読んでみてください。

「問題の理由を淡々と聞く」

 

めちゃめちゃ難しいことですよね、これ。

もう出来てまーす!完璧でーす!というお母さんがいらっしゃったら、わたしは会ってみたいです(笑)

今までに挙げた項目も、かなり根気のいる実践になると思っていますが、最後のこの項目にいたっては、ご自身の感情のコントロールが隣り合わせなので、わたしは一番難しいと思います。

 

ところで、このタイトルには、1つカラクリがあります。

ちょっと丁寧に書いてみますね。

「問題が起きたら、子どもにその理由を淡々と聞く」

 

カラクリ、気付きましたか?

おかしなこと、言ってます。

 

そして実は、このタイトルの時点で、もう子どもを苦しめています。

「問題が起きたら、子どもにその理由を淡々と聞く」

 

おかしいのは、この部分。「問題が起きたら」。「問題」というところには、もう既に「また、やってくれたな」というネガティブな意識がはたらいていますよね。

そういう意識のもとで「淡々と」聞く。うーん、なんて難しいんでしょう。子どもだって、お母さんの頭から出ているけむりに気付いてしまっていたら、「正直に話しなさい」なんて言われても、難しいのではないでしょうか。

 

ということで

「問題だ」「トラブルだ」「また悪いことしてる」そういう目でみているとき、淡々と理由を聞くことはできない。そんなカラクリ!

 

「なにがあったんだろう?」と、刑事さんにでもなったつもりで冷静に事情聴取すると(笑)まったく子どもが悪くないときもあります。なるほど、この子にはそこんとこが難しいのか、と納得がいくこともあります。

つまり、子どもの話に耳を傾けながら最後に判断を下せばいい、そんなスタンスが「言うことを聞く子ども」にしていきます。

 

このスタンスでいるのって、本当に難しいんですよ(笑)

だけど、1日に1回でもできれば、ゼロとは違う何かが生まれると思うんです。子育てなんて、そんな繰り返し。

最初からできないかもしれませんが、頭にあるのとないのとでは全然違う10年後になっていると思うんですね。

 

わたしも、いつもできているなんて、偉そうなことは言いません。それでも、このスタンスを10年近く意識してきたわたしには今、ある実感があります。それは、聞かなくても子どもの本音に気付るようになってきた実感です。毎度、毎度ではありませんが、いったん「オイオイ!」と思える行動の裏にある子どもの思いがつかめるようになってきた感覚があります。

 

だから「今できない」とあきらめるんじゃなくて、やってみようの精神でいてもらえたら。きっと10年後、何かの差が出ているのでは、と思うのです。

 

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では、もう1つのハテナ。

言うことを聞くようになってもらうことと、ニュートラルで中庸な立場でグレーな感じでどっちつかずなまま、子どもに気持ちを聞くことが、どうつながっているかについて明日お話することにします。

 

つづく