言うことを聞かない子に「言うことを聞いてほしい」と思っているあなたは、この項目はとても不思議に感じることでしょう。
今日は「いい子でいてほしいと思わないことが、かえっていい子になっていく」という考えかたのお話です。
まず、昨日までのおさらいです。
➀注意する前に5秒カウントする
➁叱るときは鬼の形相で例外なく叱る
この2つの目的を簡単にまとめると、善と悪との差をハッキリとつけるため、ですよね。➀では、まだ悪いことをしていないのに注意していたら、聞く耳を持たなくなる。➁では、叱るのだったらきちんと叱らないと伝わらない。共通するのは、善悪の差をハッキリつけるということです。
そうすると、善悪の判断をつけるためには「いい子なら、やめて」なんて言いたくなるかもしれません。「いい子」にしたいからしつけるんでしょう?と。
ええ、もちろん、その子にとって幸せな道を用意してあげたいのが親というものです。
しかし、親のそんな「いい子」への思い入れが、子どもを苦しめているかもしれないと知ったら、あなたはどう思いますか?
「いい子」を願えば願うほど、理想にあてはめようとすればするほど、小言や注意は増えますよね。子どもの立場に立てば、ちょっとした失敗や冒険をとがめられたり、勇気を出してやってみたことに苦言を呈されていることになりますから、「自分は何をしてもだめなんだ」と、やる気も自信も失っていくでしょう。
「いい子」にしたくて言ったことが、かえって「いい子」から遠ざける、とはこういうことです。
さらに言えば、子どもは何か大人がマイナスの言葉を発していることには気づきながらも、内容まで聞かなくなっていきます。まさに、文句と小言のBGM(笑)
お母さん方は「言っても言っても聞かなくて」と言いますが、見方を変えれば「言いすぎているから聞かない」のかもしれません。本当に聞いちゃぁ~いませんよ(笑)
中国語の音楽の中に、たまに英語の単語が出てきても気付かないのと同様、「ダメよ、ダメよ」のBGMの中にときどき出てくる、本当の「ダメ」に、子どもは気付かないのです。
「いい子」でいてほしいと思わなくなれば、自然に小言も注意も怒りも抑制もダメ出しも拒否も減ってきます。やってみてください。
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明日は、項目4:子どもの要求にすべてイエスの姿勢で応じる
についてお話します。お楽しみに☆