こんなこと教えてくれる大人、いなかった

 

わたしは、半年前まで家庭教師をしていました。

中学3年生の女の子でした。

 

わたしはその子に

勉強自体はほとんど教えませんでしたが、

みるみる点数も意識も上がって

親御さんがビックリされたほどでした。

 

(ややこしくなるといけないので、

 「実は勉強以外を主に教えています」なんて

 親御さんには内緒でしたけどね~。笑)

 

 

始まって3か月くらい経ったある日、心から零れ落ちたかのように発した言葉がありました☟

 

「すごすぎる。言葉が出てこないくらい、いつも

 先生の教えてくれることってすごいんですよ。

 こんなこと教えてくれる大人の人、いなかった」

 

つづけて

「なんで、こんなに大事なことなのに、

 学校の先生も誰も教えてくれないんですか?」

 

わたしが教えたのは、

わたしにとってはごくごく普通のことです。

だから、魔法のようなものではありません。

 

 

思い出せる2つをご紹介しますね。

 

1つ目。

「試験に受かることが目標なんじゃなくって

 試験に受かるようにしていく中で、いろんな力を

 つけるんだよ。」

 

「時間の使い方、自分の気持ちのコントロール、

 自分に合った勉強法、自己分析と対策、

 時間のない中での取捨選択、情報収集、

 そういう力は、大人になってからも必要なの。

 ここで答えを教えたら、点数は上がるよ。確実に。

 でも、わたしは、あなたの人生のために教えない

 

2つ目。

さらにわたしは

「学校の勉強なんて、大人になってからほとんど

 使わないよ」と付け加えました

これから受験に向かう子には、タブ―だと思える発言です(笑)。こんなこと家庭教師に言われたら、普通やる気なくなるんじゃないの?って。

 

いや、違うと思いますよ。

 

よく「大人になってから困る」と根拠のない脅し文句を言う大人がいますが、たとえ源頼朝がわからなくても三平方の定理を知らなくても、何にも困りはしませんよね。

 

そんなの、半分大人な中学生は、もう気付いてます。

 

「勉強がわかるようになるためじゃなくて、

 自分の高め方を知るために勉強を使ってる。

 そう思えばいい」

 

中学生が欲しいのは、こっちです。

わたしの話に、妙に納得してました。

 

 

 

小学生だって、うすうす勘づきます。

「これ、必要か?」

「俺、国語でメシ食ってく人間じゃないな」って。笑

 

大人は、こう答えます。

 

「ん?大人になって困るよ。」

「できないと恥ずかしいよ」

「もう少し頑張ったらわかるようになるから」

「つべこべ言わずにやりなさい」

「自分の可能性を広げるのよ!!」

 

大学受験まで

騙されていてほしいからです。

 

わたしは、言いたくないな。

代わりにやっぱり、こう言います。

 

「かなしいけど、いまの学校でやってる勉強の

 ほとんどの内容は大人になってから使わない。

 あればあったで困らないけどね。

 でも、一番たいせつなことは、

 自分がもっと良くなるにはどうしたらいいのか?

 その方法がわかるようになることだよ」と。

 

いまの学校の在り方が変わるまでは、こんなふうにいってあげるしかないかと思います。