母親なんだから

 

「いいお母さんは…」とか「母親たるもの」など、何かしらの「ママとは論」みたいな言葉をかけられたことはありませんか?

 

私は、あるお年寄りにこう言われたことがあります。

 

「幼稚園に行かせているのは偉い。今なんて、みんな保育園に預けちゃって、ちゃんと3歳まで見てあげなきゃ駄目だよ。あなた、いいお母さんだ!」って。

 

正直、1パーセントもいい気分がしなかったです。

反対に、怒りと危機感でいっぱいでした。

一体この人は、何を根拠にこんなこと言っているんだろうか?と思いました。

 

(ちなみに、愛着形成のもっとも重要な期間は、生後6か月から1歳半と言われています。でも、もっと大事なことはその期間よりも、そこでどんなかかわりをしたかどうかであって、幼稚園だろうが保育園だろうが関係ありません。

そんな根拠を知っているわたしには、何の褒め言葉にもならなかったことはもちろんですが、それより

 

わたしがグサッときたのは

「今の母親は、なってない」といった

世の中のメッセージそのものを

受け取った気がしたことでした。

 

 

 

もう一つ例を挙げます。

私が長女を出産する際、陣痛が来て病院に電話したときの話。電話口の助産師さんにこんなことを言われました。

「お母さんになるんだから、痛い痛い言わないで、しっかりしなさい」って。

 

陣痛とお母さんの強さって関係ありますか?笑

お母さんになると、痛みが軽くなるんですか?笑

 

 

 

「お母さんなんだから」とか「ママらしくして」とか

「母親たるもの、無償の愛で包み込んであげるものよ」

という言葉が、どれだけ母親を苦しめているでしょう。

 

子どもに反抗されてもニコニコし

穏やかになだめ

どんな時だって我が子は可愛いと言う。

 

自我を極力出さずに子ども中心で生活し

手作りのおやつを作って帰りを待って

ゆっくり目を見て話を聞いてあげる。

 

定期的に図書館に連れていき

適度にSNSに触れさせ

家には綺麗に写真が飾ってある。

 

爪は短く切り

オシャレをあきらめ

掃除・洗濯・炊事・育児。

 

こういうのが、世の中の人が求めている良き母像ですよ。息苦しい!!笑

(宮澤賢治の「雨ニモマケズ」みたいな書きっぷり!)

 

ぜひ削りましょう、この理想像。

たしかに子どものための子育てですがまずお母さんのあなたが幸せであることが最優先ですから。

たとえ夕飯がカップラーメンになっても、それを笑顔のお母さんと美味しく食べれたら、それで心も満腹になるんですから。

逆接的に言えば、すべて完璧を求めている以上、良い母にはなれないってことかもしれないですね🍀